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忘れがたい人たち
コメントをしたことはないが、いつもこっそり覗いていたブログの書き手さんが亡くなった。確かにしばらく体調は悪そうで、先日入院したと書いてあったが、それほど深刻な病気だとは思わなかった。今月初めには普通に日記を書き、コメントを返していたのに。まだ40代ではないだろうか。10代のお子さんがいたはずだ。

読んでいたブログ(というか日記)の書き手が亡くなるのはこれで3人目。1人目は90年代半ば、精神的な病と闘っている若い女性だった。心の繊細さをあらわすように、彼女の日記はすばらしく詩的で、哲学的で、そんじょそこらの作家など、足元にも及ばないものだったが、感動すると同時に、彼女にこれほどの文章を書かせている苦悩を思うと、胸がしめつけられるようだった。しばらく書き込みがないなーと思っていたら、一、二カ月ほどたった頃、父親からのメッセージが投稿されていた。自殺だった。遺品を整理していて、娘が日記を書いていたことを知ったらしい。娘を救えなかったことへの悔恨と、日記の読み手や掲示板メンバーへの御礼のメッセージだった。彼もまた、長い間苦しんできたんだろうと思わせるような、深い疲れが行間ににじんでいた。

2人目は90年代末。30代の主婦の女性だった。子どもはなく、どこかの町のマンションで夫と2人暮らし。手先の器用な人で、手作りのお菓子や雑貨、鉢植えの写真をセンス良くちりばめた、とてもおしゃれなホームページだった。とても幸せそうな人だった。それがちょっと体調が悪いといって入院したら、2週間後には亡くなってしまった。今度は旦那さんから、報告のメッセージが入っていた。理由はよく分からないが、病気だったようだ。

会ったことはないが、忘れがたい人たち。生がとつぜん中断される感じが、日記だとリアルに伝わってくるからかもしれない。リアルタイムに読んだわけではないが、バイクの事故で亡くなった青年のホームページもあったな。こういう墓標のようなブログが、これからは増えていくのかもしれない。

こういう死に出会うたびに、ほとんど登校することなく、小学校の低学年で病気で亡くなった近所のAちゃん、川で足をすべらせて死んでしまった中学校のB君、高校を卒業してからしばらくして、心臓発作で亡くなった同じクラスの美人のCちゃん、客地で命を落としたDさんのことを思い出す。

ときどき、私と同じ生年月日に生まれた人たちが、いま何人残っているのかなと思うことがある。100人いたとしたら、90人くらいかしら。途上国を入れたら、50人くらいかもしれない。一つ年を重ねるごとに、「同期」は減っていく。それはどんなに若い年齢でも同じことだ。一日、一日、多くの人が到達しなかった年になっていく。そう思うと、生きているだけで奇跡だなあ。

昨日の講座では「落胆と絶望」に対応するエッセンスを勉強した。このカテゴリに属するエッセンスは全部で8本あるが、5本も選ばれてしまった(泣)。落胆しまくりの、絶望しまくりらしい。orz

まあ当たり前なのだが、「今ここ」しかないわけで、未来を恐れることも、過去にとらわれることも、そろそろ卒業したいと思う今日この頃です。


猫写真

唐突ですが、かわいい2ショットが撮れたので。。。

by bou2cat | 2006-11-29 16:04 | こころ
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